株式会社 明和製作所

BLOG技術者ブログ

当社の品質への取組みについて

2021.10.15

皆さん、こんにちは。今月のブログは品質編として、品質保証課のwasaがお送りします。

毎年この時期にあるISO ISO9001/14001の審査が終わると、秋も近づき食欲が増してきている今日この頃です。今回はコロナ緊急事態期間中だったため、初のリモートでの審査でいつも以上に準備が大変でしたが、始まってみるとスムーズに特に指摘事項もなく終わり、また「リスクと機会への取組み」ではお褒めの言葉もいただきました。

今回はそれに絡めて、当社品質保証課の取組みと「カスタム設計小ロット生産」ならではの苦労を少し吐露させていただければと思います。

ご存じかと思いますが、品質ISOは2015年度版から組織の経営判断をより尊重する内容になりました。従来「是正処置」と一連で要求されていた「予防処置」がなくなったかわりに、“リスク及び機会への取組み”が要求され、製造後のサービスや製品の廃棄まで含めて、より広く不適合発生の防止・低減策を検討すると共に、経営についても、自社の組織の課題や利害関係者の要求事項を明確にした上で、リスクと機会を検討し改善に取り組む事が求められるようになりました。

当社では品質保証課は経営企画室に所属し、当社社長直轄の下で活動していますので、ISO2015年度版に対応する「内部外部の課題一覧表」を作成(毎年更新)し、会社内外のあらゆる観点からリスクと機会を検討すると共に、「予防処置」に代わる仕組みとして、以前より安全衛生で行っていた「リスクアセスメント」の手法を製造品質や設計品質のリスクに拡大適用して取組みを継続しています。

品質管理というと、いわゆるクレーム対応が中心かと思われがちですが(もちろん当社でも「社外不良発生月1件以下」を業務目標に掲げ、一旦発生すれば最優先で取り組み一週間以内に顧客に調査報告することをルールとしています。)本来はいかに設計段階から顧客の要求を実現し、安定して不具合が発生しない製品作りを維持する体制を作るかという事が最も重要な使命です。

当社はカスタム設計製品の多品種小ロット生産を主にしており、生産管理と同様に一つの製品に特化した自動化設備や工学的な不適合防止処置がとりづらく、どうしても人の技能に頼った管理的手法を取る事が多くなり、だからこそ「以後気を付けます」ではない仕組みづくりが重要になります。

そのひとつとして、品質に関わった方なら一度は聞いたことがあると思いますが、「3H管理」という概念を2016年から取り入れ、改善を重ねて現在では「3H+F・C管理」という当社独自の活動として定着しています。

<3Hとは>

「初めて」「変更」「久しぶり」の頭文字のアルファベット「H」を用いたもので、これら3Hにおける作業はコンスタントに受注が来る製品に比べ、ミスや失敗が付きまといます。

<Fとは>

「不具合発生品」の頭文字のアルファベット「F」を用いたもので、直近1年未満で発生した不具合製品を指します。

<Cとは>

3H製品でもなく、不具合が発生していない製品でもないが特に注意が必要な製品のことを指します。(例として海外規格認証モータ等)

3Hの抽出については生産システムで自動的に直近生産日が表示されるようになっており、それを元に基本的には1年ぶり以上のものを「久しぶり」としてリストアップして注意喚起、具体的には「品証通知」にて毎月全社に発行展開すると共に、工程の進捗会議にて口頭で説明を加えています。成果として、いわゆる同一不具合の再発はほとんどなくなりました。

図表にすると下記のようになります。

現在の重点はいわゆる「未然防止」で、これは永遠の課題で完全解決はあり得ないと思いますが、

「予防処置」に代わる仕組みとして、安全衛生の取組みとドッキングさせた「品質リスクアセスメント」に昨年から集中して取り組んでいます。製品品質だけでなく、設備保全や事務処理などあらゆる企業活動を対象として、従業員全員参加の活動として推進しています。 いかにリスクを見抜くかという人間の感受性が最重要ポイントで、これについては一朝一夕では行かず、根気強く人材育成と「品質最優先の風土醸成」を続けていくしかないと感じています。

これまで、当社の品質への取組みを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

まだまだ試行錯誤中で、今後は品証通知やポイントシートがリアルタイムで現場作業者の手元のタブレット端末に表示され、作業者からのフィードバックも得るような仕組みの導入も検討しています。まだまだ、ご紹介しきれていない内容がたくさんありますが、たくさん書きすぎると怒られるので今回はここまでとします。

最後に

品質を維持・向上していくことは、どの企業様も苦労されていると思います。

品質は一つの部門だけが頑張ってもいい結果を生むことは無く、企業のトップはもとより、全社挙げて品質改善活動に取り組む風土や体制(且つ態勢)作りが非常に重要と考えます。

これは、上司からの受け売りですが、

「仕事」=「業務」+「日々改善」

が基本であり、この「日々改善」を従業員が意識することが、品質の向上ひいては企業存続・成長に欠かせない重要な要素です。

末筆となりますが、品質への取組みを通じて、当社は皆様により良い品質の製品提供ができるようにこれからも邁進していきます。

ご拝読ありがとうございました。

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