株式会社 明和製作所

BLOG技術者ブログ

歯車話(機械要素部品である歯車について2)

2022.02.08

早いものでもう2月、各地で梅の花が咲く時期になりました。

さて今回のブログは生産技術部門のホワイトが担当し、弊社の減速機製品に使われている「歯車の製造方法について」というお題で書かせていただきます。

その前に歯車の歴史と定義について、昨年の1月に技術部のtomiさんが記述していましたが、少し違った見方で補足したいと思います。

下記はレオナルドダビンチが描いた歯車装置と現在の歯車を比較してみた図です。現在の歯車装置によく似ていることにはびっくりします。

日本では江戸時代(1786年頃)製粉用などの動力源として水車が使われており、そこでは欅(けやき)、樫(かし)などの木で作った歯車が使われ、中には直径が1m以上の大きなものもあったそうで、ただ引っ掛かって回ればよいとの考えだったみたいです。昭和の時代でも山間部では目にしました。

日本の歯車の歴史で金属製の歯車の製作は、1960年に出版された本によると、元禄3年に時計師が歯車をやすりで削っている絵があるそうです。

歯車の定義は、広辞苑の説明では、「車の周囲に歯を作り、そのかみ合いによって一軸から他軸に動力を伝える装置、二軸間の距離があまり離れず、確実な伝動を必要とする場合に用いる」と説明があります。

一方、JIS B 0102 歯車用語では「つぎつぎにかみあう歯によって運動を伝達する機械の要素の対、または単体」と決めてあります。どちらも分かる説明ですが、歯車とは“対”で活動することを知っていてください。そしてこの対の使い分けを説明すると、小歯車、大歯車、駆動歯車、被動歯車の関係です。

小歯車をピニオン(pinion)といいます。その相手の大歯車をギヤ(gear)と表現します。歯車はもともと減速が主目的なので駆動歯車は小歯車ピニオンになります。また、大小の歯車の差がない場合でも駆動側をピニオンと呼びます。

この小歯車(pinion)と大歯車(gear)の事例を下図に示します。この構造は大歯車(gear)が2個あるから2段減速になります。

 歯車は形状によって、一般的には3種類(インボリュート、サイクロイド、ノビコフ)あり、歯形の大きさはMn(モジュールピッチ)、DP(ダイヤメトラルピッチ)などで表されます。歯形形状はほとんどの国でメートル法のMn(モジュール)が採用されていますが、欧米ではインチ単位のDP(ダイヤメトラルピッチ)もまだ残っているようです。

ダイヤメトラルピッチは歯数(z)をピッチ円直径(d)で割ったものですが、一方モジュールはピッチ円直径(d)を歯数(z)で割ったものですから数学的言い方すれば逆数になります。モジュールは数字が大きくなれば歯形も大きくなるのですが、ダイヤメトラルピッチは逆に歯形形状は小さくなります。また歯車には独特の歯車用語・歯車記号・計算式がありますが、これは別途説明できればと思っています。

この歯車製作を追及していけばどこまでも奥深くなっていきます。今回は歯車形状のところで紙面が尽きてしまいましたので、歯車の実際の製造方法、いわゆる“歯切り”については次回ご紹介します。

明和製作所では、減速機製品の製造だけでなく、歯車加工も請け負っています。図面指示に基づいた加工はもちろん、ご要望に基づいた設計も可能です。

歯車の外径では∮150mm、モジュールサイズ4.0mmまでのサイズで、鋼材の旋削から熱処理・研削含めた完成までの一貫加工を引き受けています。保有設備の制約がありますので、社内加工だけで出来ることは限られていますが、外注活用も含めて様々なご対応が可能ですので歯車でお困りであればご相談ください。

読んで頂いてありがとうございました。次回をお楽しみに!

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