技術部 育児休業 体験記
こんにちは。今月の技術者ブログ担当の技術部Y.O.です。
今回は少し個人的なテーマになりますが、「育児休業(育休)」についてお話ししたいと思います。先の冬に第一子が誕生し、私は実際に育休を取得しました。そこで私が実際に育休を取得した体験と、その際に少し勉強した育児休業に関する世の中の流れや明和製作所での制度や取り組みについて書いてみたいと思います。ご参考になれば幸いです。

ご存じのように少子高齢化対策や女性活躍推進の一環として、政府厚生労働省は2025年に育児休業制度を大きく改定して、特に男性の育休取得率向上を推進しています。明和製作所でも1999年制定された育児休業規定を法律の改正があるごとに更新対応、既に2年前に直属の上司が育休を取得しており、明和製作所では私が2人目の男性育休取得者となります。
日本全体の男性育休取得の動向
育休取得は当然その間の業務のやりくりで周囲に負担をかけることになり、女性は致し方ないとして、男性が育休を取得するのは、以前の昭和平成の日本の企業文化ではなかなか言い出せなかったと聞いています。しかしここ数年日本全体でも男性の育休取得は大きく進展しています。
| 年度 | 男性育休取得率 |
| 2020 | 12.65% |
| 2021 | 13.97% |
| 2022 | 17.13% |
| 2023 | 30.1% |
| 2024 | 40.5%(前年比+10.4pt) |
男性育休取得率の定義は、「育児休業等をした男性労働者の数÷配偶者が出産した男性労働者の数」ですので、ここ数年の明和製作所での育休取得率はなんと100%になります。ただこれは従業員数が約80名と少数で平均年齢が40歳以上であること、独身男性社員が多いことによる数字のマジックですが!
明和製作所では育休だけでなく介護休業、更には従業員自身の治療と仕事の両立を支援する独自の「私傷病配慮勤務制度規定」を含む総合的な両立支援行動計画を策定して厚生労働省のホームページに公開しています。
実際の育休取得にあたって
もちろんいくら制度があり、権利として認められているからと言って勝手に休むわけにはいきません。
出産予定がわかったタイミングで上司に相談し、技術部門長、総務部長の了解をいただきました。
新入社員OJTでモータの各種試験(無負荷試験、特性試験、温度試験、高速試験…)、試験報告書作成などの業務を紹介しましたが、その後試験や生産用の治具設計を学び、かなり任せていただけるようになってきていたところでの長期休暇取得となりました。ですので私だけしかこなせないような業務はない状況でしたが、それでも業務遂行途中の項目をすべて洗い出して内容の整理を行い、先輩社員にすぐに引き継いでいただけるようにすると共に、復帰後にすぐに取り組めるように情報共有の仕組みを作り、休暇中も必要に応じて進捗状況の連絡をいただき安心して休暇を取る事ができました。
・育休直前に図面作成した治具(現物の組立は上司の方に引き継いで行っていただきました)

実際に育休を取ってみて
育休を始めた当初は、夜中の授乳やおむつ替えで睡眠不足になり、生活リズムをつかむのに苦労しました。特に生後1か月頃までは夜泣きが多く、そのたびにドライブに連れて行くなどしており、精神的にも体力的にも最も大変な時期でした。
それでも、育休中に子どもの表情が豊かになったり、体がしっかりしてきたりと、日々の成長を間近で感じられたことは何ものにも代えがたい経験でした。
また、家事を積極的に分担する中で、家庭を「チーム」として支える意識が芽生え、普段見えにくい負担にも気づけたことで、妻への感謝の気持ちがより深まりました。職場復帰後は生活がまた一変し、妻に負担をかけてしまいましたが、それでも毎日家事と育児をこなしてくれていることに、心から感謝しています。これからも支え合いながら、家族として一緒に成長していけたらと思います。
育休を通じて得た気付き
当初は「職場に迷惑をかけるのでは」「評価に響くのでは」といった不安もありましたが、実際にはそれらは杞憂に終わりました。
むしろ、育休を取ったことで職場の人間関係がより良くなり、「男性でも育休を取れるんだ」という前例になれたことを嬉しく思っています。
さらに、育児を通じて得た気付きは、仕事にも大いに役立っています。効率的な時間の使い方や、チームでの協働、タスク管理など、家事・育児と仕事には共通する部分が多いと実感しています。
上司からもコメントをいただきました
『私の年代では男性が育児に参加するのは稀なケースで長期の有給休暇の取得も困難な状況でした。第1子の子育ての時に妻が育児ノイローゼ一歩手前になっていることに気付き、積極的に育児と家事に参加してなんとか乗り越えた経験を今では懐かしく思い出します。男性が育児を当然の権利として取得できるようになってきた現状は、羨ましく感じると共にあるべき姿だと思います。』
『Y.Oさんからは早めに相談があり業務の引継ぎもスムーズに進みました。特に進行中のタスク整理やモータ試験のデータ移行、加工治具の設計共有など適切に対応され業務に大きな支障はありませんでした。一部、加工治具の設計意図などは図面だけでは伝わりにくく、現場で試行錯誤が必要でしたが、チームで協力しながら課題を乗り越えることができました。この経験を通じて、知識共有の重要性を改めて実感しています。』
おわりに
最後までお読みいただきありがとうございました。皆様の会社での仕事と家庭の両立支援推進のご参考になれば幸いです。
前回の結びにも書きましたが、今回も技術ブログを離れた番外編的なトピックとなってしまいました。次回こそは、より技術的で深い内容を皆様にお伝えできるよう日々精進してまいります!

