株式会社 明和製作所

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NEW! 弊社製造モータのCFP(カーボンフットプリント )算定について

2026.04.27

本年2回目の執筆となるT.S.です。

1月と2月のブログで日中間のレアアース紛争を回避するためにDyフリー磁石への切替を進めていることをお知らせしていましたが、予定通り4月に今後1年分を見越した量のネオジム磁石が入荷し、当面中国の禁輸措置に影響を受けない生産体制が整いました。

2026.01.15日中政治摩擦と高効率モータ製造リスク

2026.02.19Dyフリー磁石モータの耐熱評価

また磁石以外では、これも昨年12月のブログでご紹介していたDCモータのロータ・バランス修正用パテが、3月になって突然国内メーカーから供給できなくなったと通知があり、準備していた通り代替材料への切替を進めています。

2025.12.11DCマグネットモータのバランス修正とバランス修正用パテの評価試験

しかし目下の問題は皆さんご存じの通り、トランプ政権の中東介入による石油関連製品の供給目詰まりと値上がり懸念です。これについては、日々刻々と気まぐれのように状況が変わり予断を許しませんが、緊迫のナフサ由来のシンナーや塗料については手元在庫で現在すでに受注を受けている夏季までの生産予定をまかなえることを確認しています。ただ一部で製品客先から支給される樹脂部品が滞り、生産計画への影響が出始めています。。

このような激動の政治経済情勢の真只中ではありますが、今回のブログでは長期的に地球環境を保全していくため、前期の業務計画で取り組み3月にひとまずの結果報告のあった、CFP(カーボンフットプリント )の算定についてご紹介したいと思います。

弊社のカーボンニュートラルに向けた取り組みについては昨年4月のブログでご紹介しています。

2025.04.10カーボンニュートラルにむけた中小モータ・メーカーの取組み

(下記は同内容の2025年度Updateです。)

そこでご説明しました通り弊社では開発製造する省エネ高効率モータが、顧客企業様の機械設備に搭載されて使用される事による環境貢献、および工場での製造段階における投入エネルギーに対する生産効率を高める事によるCO2削減には長年取り組んできていますが、近年では製品ライフサイクル視点でのCO2削減、CFP(カーボンフットプリント )算定の必要性を耳にする事が増えてきました。

カーボンフットプリント(CFP)は、製品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでの全ライフサイクルで排出される温室効果ガスをCO2換算し、数値化・見える化する仕組みです。商品のパッケージ等に「炭素の足跡」として表示することで、事業者と消費者が協力して削減に取り組む指標となるとの事です。

背景として、カーボンニュートラルを実現するためには、個々の企業の取組のみならず、サプライチェーン全体での温室効果ガスの排出削減を進めていくことが重要であり、排出削減を推進するためには、脱炭素・低炭素製品(グリーン製品)が選択されるような市場を創り出していく必要で、その基盤として製品単位の排出量CFP(カーボンフットプリント)を⾒える化する仕組みが不可⽋、と言われています。

よく言われる例として、EV電気自動車は使用時のCO2排出量はゼロかもしれないが、使用する電気を発電する際に排出するCO2や電池を製造する時に排出するCO2、そして電池の廃棄やリサイクルによる影響等々まで含めて把握しないと全体像は見えない、という事があります。

昨年7月に地元自治体の糸島市から、脱炭素経営に向けた専門家支援のスキームが公表されたことから、早速申し込んで環境問題専業コンサルタントのアドバイスをもらいながら約半年間試行錯誤を行いましたので、その結果を簡潔にご紹介します。

◆モータ製品選択と製造工程

算定モデルとなる製品として、弊社の中では長年コンスタントに生産しており、またモータと減速機が一体となり、アルミダイカストも含め内製率が高い製品を選択しました。

◆製造時の電力使用量算出

当初コンサルタントは機械ごとの定格電力カタログ値から消費電力を算出するという現実離れした提案をしてきましたが即時却下。

弊社では、製造工程ごとの設備群に対して配電盤が設置されており、その配電盤ごとの電力消費量を常時リアルタイムでモニター記録管理しています。

[配電盤と電力モニター設置例]

また生産性管理や原価管理のために、構成部品ごとの標準加工時間を測定(TS)していますので、一定期間の工程ごとの消費電力を同期間の加工時間で割ることで該当工程の時間単位の電力消費量を割り出し、それをもとに加工部品毎に集計して合計することで、製品単位の電力消費量を算出する事ができます。

◆LPガス消費量算出

弊社ではアルミダイカスト工程と塗装乾燥工程でLPガスを使用しています。

従来から、アルミダイカスト工程でのLPガス使用量を月次の出来高(標準時間集計)と対比することでエネルギー生産性の管理を行っているのですが、今回製品単位でのガス使用量を算出するにあたっては、より現実的で実態に近いバッチ(ロット)処理単位でのガス消費量を元に製品単位でのガス消費量を算出する事にしました。

◆材料の調達・製品の輸送におけるCO2排出量

原材料や部品の調達におけるCO2排出量は、製造BOMからそれぞれの部材の重量と購入先をリストアップし、直接購入先の住所から算出した弊社工場までの輸送距離と輸送手段によって定められた原単位を掛け合わせて合計することで算出しています。

今回はそれぞれの部材メーカーの製造段階におけるCO2排出量までは考慮されていません。

今回の該当製品は、製品梱包状態で1台あたり重量7kg、それを弊社工場から10tトラックに混載して兵庫県まで運送するという実態を、決められた基本式に入力して算出されています。

◆製品の稼働に伴うCO2排出量

今回の該当製品は、発電所・配電所の設備で緊急対応時に使用されるモータで、期待寿命は30年間と長いのですが想定される稼働時間は非常に少ないという一般製品ではない例ですが、弊社のモータの用途例としては珍しくありません。

また今回のCFP算出にあたっては、廃棄段階でのCO2排出までは算出されていません。

◆CFP総合算出結果

長々と製造段階での算出プロセスの説明にお付き合いいただきましたが、製品出荷輸送でのCO2排出量が80%以上を締め、弊社工場製造段階での排出量は何と1.3%のみという衝撃的な結果となりました!

輸送段階でのCO2排出量の削減は自社努力ではいかんともしがたく、地産地消の時代に戻るか、輸送トラックがすべてCO2フリーの水素トラック等に置き換わるのを待つしかありません。

生産性管理や原価計算の仕組みとほぼ同じやり方で、製品単位でのCO2排出量が算出できる仕組のめどが立ったことは有意義でしたが、その緻密な算出結果は圧倒的な輸送段階での排出量に比べると無視できるレベルだったという結論となり、この取組みはいったん修了し当面は動向をウォッチする事とします。

もっと違う見方がある等ありましたら、是非ご教示ください!

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